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BMキャピタルへの投資経験から語る!利回り、運用手法、口コミまで徹底紹介
投稿日 2019年4月9日 12:32:54 (投資)
- 1. 気になるBMキャピタルの運用成績
- 1-2. TOPIXとBMキャピタルの運用成績を比較
- 1-3. 下落に強いBMキャピタル
- 2. 高リターンの理由は投資先、運用手法にあり
- 2-1. バリュー株投資
- 2-2. アクティビストファンド?
- 3. 編集部が資産運用方法として選んだ理由
- 3-1. 1、過去にマイナスを出した年がない
- 3-2. 2、年間10%以上のリターンを出している
- 3-3. 3、ヘッジファンドの初心者に嬉しいハードルの低さ
- 3. 知っておきたい!ファンド運用会社のスキーム
- 4-1. 私募ファンドならではの自由な運用
- 4-2. 秘密主義?ヘッジファンドの情報の少なさ
- 5. BMキャピタルの口コミ・評判、ブログでの評価は?
- 5-1. 合同会社って怪しい?
- 6. BMキャピタルは信頼できる国内ヘッジファンド
- 7. 【おまけ】ヘッジファンド流銘柄選び
完全版!BMキャピタルって怪しい?運用成績から手数料、人気のヘッジファンド会社の全てを解説
マネーブリッジ編集部がBMキャピタル(BMCAPITAL)に投資をして、今年で5年目が経ちました。
「東京大学出身で外資系投資銀行で活躍した人が設立したヘッジファンドがあるけど興味ある?」との誘いを前職の同僚(東大出身)から受け、面談をし1000万円を投資。
近年は市場の冷え込みもあり、多少のマイナスは覚悟していましたが世界中のヘッジファンドがマイナスで終わるなかBMキャピタルはプラスのリターンでフィニッシュ!
ということで、国内ヘッジファンド会社BMキャピタルが資産運用先として優秀なのかを、2019年の今、改めて考えてみたいと思います。
BMキャピタルへの投資を考えている方はもちろん、ヘッジファンドに興味がある方にも必見のコンテンツです。
まず初めに、筆者の実際の投資からBMキャピタルのヘッジファンド運用成績を見ていきましょう。
目次
気になるBMキャピタルの運用成績
マネーブリッジ編集部がBMキャピタルへ投資を始めたのは5年前の、2014年。過去5年間の成績は以下の通りとなっています。
このグラフはマネブリ編集部で行っている資産運用全体の投資成績で、BMキャピタル以外への投資も含まれています。しかし、ご覧の通りBMキャピタルの割合が圧倒的に大きいです。
他の商品も混ざっているのでわかりにくいかもしれませんが、BMキャピタル単体の運用についていえば、年間を通じてマイナスになったことは今のところ1度もありません。
BMキャピタルのようなヘッジファンドの特徴は、マーケット(市場)全体が下落しても上昇しても、確実にリターンを得ることのできるところにあります。
引き続き、国内ヘッジファンドBMキャピタルのリターンについてもう少し分析を深めてみましょう!
TOPIXとの比較で見る!BMキャピタルの下落への強さ
下図は2018年の日経平均TOPIXのグラフです。
ご覧の通り、日本経済全体が下降した一年でした。
また日本経済だけでなく世界全体で見ても市場が冷え切っていた2018年は、海外のヘッジファンド全体を成績を振り返ってみても、マイナス4%以上の損失となっていました。
経済ニュースサイトブルームバーグの記事によると、ヘッジファンドは2018年実に2011年以来の8年ぶりにマイナスに転じていたとのこと。世界のヘッジファンドはどこも苦戦していた1年であったと言えますね。
そんな難しい状況でも、2018年BMキャピタルは年間通じ、プラスリターンでした。
運用成績がプラスであると一言で言っても、その意味は市場の状態によって変わってきます。
例えば2013年のアベノミクスの時などはマーケット全体が大きく上昇し、どの株式を購入してもプラスになるような年でした。
つまり、市場全体が上昇している時にプラスが出たのと、市場全体が下落している中でプラスを出せたのでは意味合いが全く異なります。
あくまでも、ヘッジファンドの運用成績を分析する場合、その年の市場全体の状態を考慮して運用成績の是非を見ることが必要です。
さて、ここまでBMキャピタルの運用成績を見てきました。
海外ヘッジファンドまでもがマイナスを出した中、リターンを出したBMキャピタル。そうなると、BMキャピタルはどのような投資手法で運用を行っているのか気になりませんか?
そこで続いては、BMキャピタルの運用手法について見ていきます。
高リターンの理由は投資先、運用手法にあり
BMキャピタルの運用手法を語るには欠かせない言葉は「バリュー株投資」「アクティビストファンド」の2つ。
早速、1つずつ見ていきます!
1つ目は、バリュー株投資です。
バリュー株投資
BMキャピタルから四半期ごとに受け取る運用報告書を見ていくと、BMキャピタルの投資原則は「バリュー株投資」であることがうかがえます。
バリュー株投資を一言で説明すると、「本来その銘柄がもつべき価値より、低い株価(価値)がついている。いわゆる割安状態にある株」を見つけて、購入する手法ですね。
今後も長期にわたって成長が見込め、他の投資者がまだ気付いていない銘柄をBMキャピタルの優秀なファンドマネージャーが選定、買い込み、価格が修正されるのを待ちます。
安すぎるものは、他の投資者が気づきどこかの時点でで買われ株価が上昇しますし、同様に高すぎるものはどこかで売られ、株価が下がると予想できますね。
バリュー投資は主に、割安株の価格が修正される可能性がどれくらいあるのかという点と、同様の戦略で保有するライバルがどれくらい存在するかの2点に、特に深い考察が求められるというわけです。
このバリュー株投資は、アメリカの著名な投資家であるウォーレン・バフェット氏が採用する効果的な運用手法として脚光を浴びました。彼は割安な株をみつけては巨額資金を投資し、割安な株価が適正な価格に修正される過程で売却し、巨額の資産を築きました。
BMキャピタルの投資銘柄とは?
そうなると、設立以来一度もマイナスを出すことなくプラス運用を続けるBMキャピタルの投資先は一体どういったところ気になるところ。
投資を始めると四半期ごとに貰える運用報告書には、ディールを終えた(売り終えた)銘柄のについての解説があります。
なぜ、この銘柄を買ったのか、いくらで買っていくらで売ったのか、保有している間、発行体がどうIR(投資の判断に必要な情報提供)を出し株価がいかに反応したかなど、丁寧に解説してくれています。
BMキャピタルの運用報告書に並ぶ銘柄は、どれも現金または現金性資産(売掛金や有価証券)を大量に有する、いわゆるキャッシュリッチな安定した企業が中心です。時価総額もそこまで大きくもなく、100億~200億前後の中・小型株を監視している印象を受けます。
運用報告書の内容は非公開ですので、残念ながら公開することができないのですが…本記事の最後でマネーブリッジ編集部がBMキャピタルの運用レポートにならって独自で銘柄を分析した模様を紹介しております。
そんなBMキャピタル流銘柄選びに興味ある方は是非読んでみてくださいね!
さて、話を続けます。BMキャピタルが選ぶ中小型株は流動性もそこまで高くないため、2018年のようにマーケット全体が大幅に下落しても(上昇しても)、株価への影響は限定的と言えます。この面がファンドの運用成績を安定的にさせている要因の一つだと思います。
ただし、バリュー投資の懸念は、「割安株に仕込んだが、この株の価格がいつ上昇するかはマーケット次第で待つしかない」という点ですよね。
割安株を購入し、値上がりが始まるのが50年後とかでは困ってしまいます…ここでBMキャピタルは早期の値上がりを実現すべく自らアクションをとります。
具体的には発行体の企業価値(株価)が上向くよう、投資先企業に積極的にIRを出すように経営陣に進言をしたり、事業に良い影響を与えるような戦略的パートナー企業を紹介したり、M&Aの提案を行ううといったようなものです。
または、ため込んだ内部留保でMBO(経営陣による株式の買い取り)を促したり、自社株買いを要求するなどして、株価が上昇するきっかけを積極的に作っていきます。
つまり、投資先企業の企業価値、株価が上昇するよう、投資先企業に株主として経営の改善を促していくのですね。
このように、株価の上昇を呼び込むように行動する株主のことをアクティビストと呼び、ファンドであればアクティビストファンドと呼びます。
アクティビストは日本語では「物言う株主」と言われ、昨今のマーケットでは注目を浴びる存在となってきています。
さて、ここでBMキャピタルの運用手法を語るには欠かせない言葉2つ目の「アクティビストファンド」について説明していきます。
アクティビストファンド?
最近、このアクティビストという言葉は知名度が増しています。ひと昔前では、村上ファンドなどが世間を賑わせました。彼らアクティビストファンドの主張はシンプルです。<br
「上場企業は自社の株価について常に責任をもってほしい」
「株価を安いまま放置せず(企業価値が低いまま放置せず)、株価を上げる(企業価値の向上に資するような具体的な策をしっかり打ってほしい」
と、このような内容を、時に株主総会の場で、ある時は経営陣とミーティングを通じて直接的に提案します。
上場企業である限り株主の声は無視できません。特に株式発行数の一定のボリュームを有する株主が提案したいとなると、本体も軽くあしらうわけにはいきません。
このように、保有する株式が多いファンドほど主張が通りやすくなります。
BMキャピタルもまた発行体企業へ改善要求や株価向上のための提案を行ってきているようですが、村上ファンドのようなセンセーショナルなアプローチは好んでおらず、いわゆるソフトアクティビスト(穏健的に経営陣と交渉する)路線を歩んでいるようです。
編集部はこれまで、5年にわたり報告書を読んできましたが、実際BMキャピタルが保有する銘柄の大半は、一年以内のどこかで値上りするものが多く、いい意味でアクティビスト的テコ入れをする必要がなかったようです。
このように、アクティビストファンドとして、投資先企業の株価上昇の為積極的なアプローチを取っている点は、ヘッジファンドであるBMキャピタルならではの投資戦略であると言えるでしょう。
編集部が資産運用方法として選んだ理由
さて、ここまでBMキャピタルの投資戦略の特徴を解説してきました。
おさらいすると、バリュー株を仕込み、アクティビストファンドとして株価上昇の為を提言を積極的に行っているというものでしたね。
しかし、マネブリ編集部がBMキャピタルに投資を決めたのは、BMキャピタルの投資手法の優秀さだけではございません。
ここで、そんなマネブリ編集部がそんなBMキャピタルに改めて資産運用先として選んだ理由を3つにまとめてみます。
2.年間10%以上のリターンを出している
3.ヘッジファンドの初心者に嬉しいハードルの低さ
早速、ここでも1つずつ見ていきますよ。1つ目は、過去にマイナスを出した年がない点です。
過去にマイナスを出した年がない
まず、個人投資家が資産運用する際に大事なことは「お金に執着しすぎないこと」です。
本当に預けてよかったのか、元本が割れて大きく損失を出すのではないか…と精神的な不安を生まない相手選びをしたつもりです。
個人的には運用を委託はしてはいるが、現実の中ではその存在を忘れるくらいがちょうどいいと感じています。大きく増やすために無駄なリスクをとるくらいなら、安定的にコツコツでいいので増え続けてさえくれればいい。
編集部としては上記の考えのもとBMキャピタルに投資を決め、実際この5年間は年間を通じ一度もマイナスになることはありませんでした。
そんなBMキャピタルのリスク管理の高さは、以下のような数値からも垣間見ることができます。
・シャープレシオ
まずは、標準僅差(ひょうじゅんへんさ)。
標準偏差とは、金融商品のリスクの大きさを数値化する際に使う指標です。数値が大きいほど値動き(リスク)が大きく、小さいほど値動き(リスク)が小さいことを表します。
長くなるので、今回標準僅差の算出方法については省きますが、TOPIXの標準僅差を約8%とすると、BMキャピタルの標準僅差は約6%と価格の上がり下がりがTOPIXに対して低いことが分かります。
fa-arrow-circle-rightTOPIXとBMキャピタルの標準僅差比較
TOPIX | 約8% | BMキャピタル | 約6% |
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先述した通り、BMキャピタルはリスクを抑えた安定した運用を行っていることが、標準僅差(ひょうじゅんへんさ)からも見て取れますね。
難解な用語が続きますが続いては、シャープレシオです。
シャープレシオはリスクとリターンのバランスを表す指標です。つまり、シャープレシオを見れば運用の効率の良さがわかります。
今回も、引き続きシャープレシオの算出方法については説明を省きますが、シャープレシオに関しては数値が高いほうがリスクとリターンのバランスが良いと言えます。
fa-arrow-circle-rightTOPIXとBMキャピタルのシャープレシオ比較
TOPIX | 約1 | BMキャピタル | 約2 |
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シャープレシオに関しても、日経平均が約1なのに対して、BMキャピタルは2と倍以上の高い数値となっています。このことからも、BMキャピタルは少ないリスクでまとまったリターンを得ることが出来ていると言えますね。
投資に関しては、どうしても運用成績だけに目が行きがち。標準僅差(ひょうじゅんへんさ)やシャープレシオなどの数値から、冷静、かつ客観的に投資先の運用能力を判断することも大切です。
このように標準偏差やシャープレシオの数値から見ても、リスクを抑えながらも効率よく投資を出来ているBMキャピタルは、大変「安定した運用」を行っているヘッジファンドであると言えますね。
続いて2つ目は、年間10%以上のリターンを出している点です。
年間10%以上のリターンを出している
先ほど、運用成績だけで判断するのはお勧めできないと述べましたが、やはり運用成績(いくらの儲けがでるか)が気になるのが人間の心理です…(笑)
BMキャピタルの公式ホームページでは、すべての年において年間利回り10%以上をあげていると記されています。
まず、そもそもヘッジファンドの平均利回りは10~20%と言われておりますので、この10%という数字はそこまで大きな数字ではありません。
マネーブリッジ編集部の実際の投資を経験からも、この数字感は間違いではないと言えますね。重ねてになりますが、ここで注目していただきたいのは「過去の運用成績でマイナスが出ていない」ところ。
リスクを取れば、大きなリターンを実現することは可能です(ほぼ、ギャンブルに近いですが…)しかし、マイナスを出さずに、ある程度のリターンを重ねていけるのは、リスク管理をしっかり行い、戦略の元に丁寧な運用を行うBMキャピタルならではと言えます。
最後に3つ目、ヘッジファンドの初心者に嬉しいハードルの低さです。
ヘッジファンドの初心者に嬉しいハードルの低さ
またそもそもの話になりますが、東大卒で外資の投資銀行で活躍するようなファンドマネージャーが、個人投資家向けに金融商品を組成することは稀です。
その分手数料など高めな気がしますが(笑)、今ふりかえればBMキャピタルは最低投資額1000万円から運用を委託できる点もありがたかったな…と感じます。
ロックアップ期間も四半期のみということで、最短3か月で解約することが可能な点も、安心できる材料と言えますね。
ヘッジファンドは香港やシンガポールを拠点に多数存在しますし、インターネットで検索すればヘッジファンド会社へのアプローチ自体は比較的容易だとは思います。
しかし、契約にいたるまで、そして契約書も含め英語でやりとりするのは正直荷が重く、どうしても抵抗がありますよね。
その点、BMキャピタルは和製ヘッジファンドと言え、日本語での疎通できる点は安心ですし、運用報告書も日本語なので100%理解できます。細かい点ですが、一つ一つがとても心理的にストレスがなく助かっています。
さて、ここまで編集部が資産運用先としてBMキャピタルを選んだ理由を3つ紹介してきました。
実際にお問い合わせ、ファンドの担当者と面談をすれば運用成績や投資手法など細かい部分についてもしっかり答えてくれるので、気になる方は一度問い合わせをしていろいろ質問してみても良いですね。
続いて、謎に包まれたヘッジファンド会社の運用スキーム(体系)について触れてみます。
知っておきたい!ファンド運用会社のスキーム
外資系投資銀行で活躍した金融プロフェッショナルがスピンアウトし、設立したのは6年前。
以降、日本株式特化型の国内ヘッジファンドとして、個人投資家の間でも少しずつ存在感を増すBMキャピタルですが、私募による限られた出資者に対してのみ販売しています。
金融ライセンスを取得すれば公募による募集が可能になり、証券会社や銀行などメジャーな金融機関を介して商品が売ることができますが、その一方で、金融当局の統制下になり、柔軟な運用はできなくなってしまいます。
総合的にみて、BMキャピタルはあくまでも合同会社での私募形式を続けていくと思われます。
このBMキャピタルが合同会社での運用を行っている理由については、下でより詳しく説明しています。
私募ファンドならではの自由な運用
さて、私募のファンドと公募のファンドでは、運用の際どのように自由度が違うのでしょうか?ここで公募ファンドの代表である、「投資信託」を例にとり解説していきます。
投資信託の場合ですが、投資者は証券会社・銀行を通して金融商品を購入します。そして、実は販売会社とは別に、運用を担当する専門の会社がいるのですね。
ここでは独立系ヘッジファンドと対照的に、この証券会社・銀行を通して投資者から集めた資金を運用する専門の会社のことを「系列の資産運用会社」と呼ぶことにします。系列の資産運用会社としては、野村アセットマネジメントや三菱アセットマネジメントなどが有名ですね。
投資信託は投資者を多数募集できる「公募」の形をとってる関係上、資産運用会社の運用方針は最初から決まっています。
「運用目標はこうで、投資対象はこれで、こんな風に運用をします」ということが最初から定められている、規格化されたパッケージ商品のようなものとなっています。そして、基本的に運用手法はロング(買い)です。
ロング=買いですので、投資先の価値が上昇しないと利益になりません。市場が上昇していけばリターンを期待できますが、下落したら運用成績は自然と下がると予想できます。よって2018年のような、相場が全体的に下がった年はロング(買い)を主とする比較的投資信託は利益を出しずらかったと言えます。
そうなると、投資信託を購入するということは、相場が上がると信じ購入する商品と言えます。
ここで、一つの疑問がわきます。
投資には「空売り」と言って、手元にない株式を、信用取引などを利用し「借りて売る」こともできます。株価が高騰しており、これから下落が予想されるときに空売りをし、株価が下落したところで買い戻し、その差額で利益を得るようなものですね。
ではなぜ、系列の資産運用会社はロング(買い)しかできないのでしょうか?
投資信託がロングしかできない理由
まず、銀行や証券会社は建前上顧客のために存在しています。
お客様の為に、企業の為に、企業の業績を良くする方向で社会に存在しているのに「あそこの会社は今期業績がいまいちだ。これから株価が下がりそうだしショートで攻めよう」という行為は、正直やりづらいですよね…。
企業の業績悪化を利用して利益を出してしまってはイメージが悪化し、片方(銀行)でやっているビジネスにマイナスの影響が出る可能性があるので、系列の資産運用会社はショート(空売り)をしません。
一方、親会社や関連会社に資金調達を頼ることのなく、私募で資金を集めるBMキャピタルは、どこにも属していない「独立系」がゆえに、収益になると思えばショートポジションを機動的にとることができます。
このようにヘッジファンドが系列の資産運用会社より運用成績がよい理由は、収益機会が倍(上げと下げ)あるからとも言えますね。
人によってはショート(下げ)ポジションやデリバティブを扱うことに対して、過度のリスクがあると言われることもありますが、リスクがあるというより、もともとある収益機会を下方局面でも取りに行っているだけです。
以上、ここまでの話をまとめます。
BMキャピタルのように、販売代理店に頼らず自社のみで募集をする私募のファンドのメリットは、その独立性がゆえに上げと下げの収益機会に対し、自由で柔軟な戦略をとることが出来る点であります。
また、逆にデメリットは、銀行や証券会社を通して公に投資者を募ることができないため、資金集めに苦労する点と言えますね。
そのためBMキャピタルが運用資金を増やすには、ファンドの運用成績で投資家を満足させるしかないということになります。
待っていれば莫大な資金が運ばれてくる系列の資産運用会社より、ヘッジファンドの方が運用スキル、リターン両面において高い次元のものを求められるようです。
秘密主義?ヘッジファンドの情報の少なさ
BMキャピタルは、割安な銘柄が安いうちは買えるだけ買うという方針ですから、当然ながら銘柄に関する情報は非公開であり、進んで手の内を明かすような真似はしません…。
保有銘柄の情報を公開するファンドもあるようですが、BMキャピタルが極端に秘匿性が高いのは戦略の一貫なのでしょう。
情報の少なさがゆえに若干の不安もつきまといますが、その点は直接面談して納得ができるかどうかだと思います。最低投資期間は僅か3か月なので、お試しのつもりで取り組むことも可能な点は投資者としてはありがたいですね。
ヘッジファンドに関しては、どうしてもネット上で得られる情報には限りがあります。ファンドについて気になることは、直接お問い合わせをして担当者にいろいろ聞いてみるのが良いでしょう。
さて、ここまでヘッジファンド会社の運用スキームを見てまいりました。情報公開が積極的にされていないヘッジファンドの概要を少しでも理解していただけたら、嬉しいです。
さて、ヘッジファンドとは?BMキャピタルとは何者なのか?が分かってきたところで、投資を検討するなら見ておきたい!国内ヘッジファンドBMキャピタルの口コミ、評判を覗いてみたいと思います。
BMキャピタルの口コミ・評判、ブログでの評価は?
今回、国内ヘッジファンドBMキャピタルについて説明しております。
しかし、マネブリ編集部自体がBMキャピタルに5年も投資している以上、若干の主観が入ってしまうことは否めませんよね…。
そこで、ここでは他の投資者達のBMキャピタルに対する口コミ、評判を見てきたいと思います。
しかし、ヘッジファンドに関してはブログやまとめサイトなのでも情報が少なく、口コミ・評判自体も多く出回っていませんので、今回、本記事を執筆するにあたり投資者仲間にBMキャピタルに関するイメージを聞いてきました。
彼は海外ファンドにも手を出していたようですが、国内ヘッジファンドということで、日本語でやり取りができる点は投資家目線で評価できると言っていました。
また、実際に面談をされるとわかりますが、銀行の窓口のような流れ作業的なものでなく、顔を合わせて1つ1つ気になる点をじっくりファンドの担当者に質問できる点は「投資商品を理解して投資する」という意味で大変に意味のあることですね。
また、出資後も一人に一人しっかり担当がつくので、不明点は担当者に聞けばしっかり回答が得られ、安心です。
重ねてになりますが、2018年はヘッジファンド大不況な1年で彼も、私もマイナスを覚悟していましたが、予想に反し対インデックスでプラスで終われた点はしつこいようですが評価できる点です。
2019年はヘッジファンドも出だし好調とのことで、まとまったリターンを期待したいです。
ここまで、BMキャピタルの口コミ・評判、ブログでの評価について見てきました。いかがでしたでしょうか?
金融商品のどの部分にメリット・デメリットを感じるかは人それぞれですが、複数の投資者に選ばれているBMキャピタルは安心感があります。
さて、この項目の最後に、マネブリ編集部が出資の際に気になっていた部分(今はもう解決済)がありましたので、その部分について解説しておきますね。
合同会社って怪しい
インターネットで「BMキャピタル」と検索すると、サイトやブログで「合同会社」と出てきますよね。正直初めは、合同会社ってなんだか怪しい…と思っていたのですが、それにはしっかりとした理由がありました。
まず、合同会社と株式会社と違うところを簡単にまとめますと
・設立コストが安価なのに証券口座や銀行口座は株式会社並みに開設が可能
このようなところで合同会社は、運用会社としてのフットワークの軽さに長けていると言えます。
しかし、BMキャピタルは決算公告の義務はないとはいえ、自らわざわざ監査を入れ、投資家に対しての情報公開度は非常に高いと言えます。常に投資者に対して透明であろうとする態度は、投資者として大変に好感が持てます。
反対に、合同会社であるデメリットを挙げれば「税制面はパススルーではない点」が挙げられます。
BMキャピタルのデメリットとは?
ファンドに法人の所得税が課税されると、投資家には課税後の利益が支払われ、さらにその上から確定申告で個人の所得税までが課税されるという二重課税が発生します。税金が2回も引かれてしまうなんて、もったいないですよね。
そこで、一定の規則をクリアして設立された組織においては、法人とはみなされず特別に「パススルー課税」が適用され、法人の所得税が課税されないようになっているのです。そうなると課税は1回ですみます。
しかし、合同会社であるBMキャピタルは「パススルー課税」の対象外となっており、法人所得税を支払った上で、さらに個人投資家の手元に来た時にも確定申告が必要とのことで、二重課税がかかるようになっています。
正直、投資者としてはこのようなデメリットも事実ありますが、それでも資産運用をしたい個人にしてみれば、卓越したプロの運用スキルで自信の資産を運用してもらえるので、筆者自身もそれ以上のメリットがあると感じることができています。
また、原則的に会計監査を受けていますので、その点は安心できますが、投資家から預かった資産と、自社の資産を分けて管理する「分別管理」などを特別しているわけではないので(※証券会社では分別管理が義務付けられています)不安がゼロかといえばそうとは言い切れません。
ただ一方で、分別管理をしているからといって内部のガバナンスがしっかりしていなければこれもまた同じ。銀行などでも資金の流用が事件になるくらいです。
これだけ説明しておいて何ですが…資産運用はどうしても直感や経験に頼らざるを得ず、最後の最後は人を見て判断するしかないと感じます。BMキャピタルもサイトからお問い合わせ、面談ができますので、気になる方はまず一度問い合わせをし、ファンドの担当者にいろいろ話を聞いてみると良いでしょう。
BMキャピタルは信頼できる国内ヘッジファンド
さて、ここまで実際の投資経験から国内ファンドBMキャピタルの運用成績、運用手法、BMキャピタルの特徴、ヘッジファンド会社の仕組みから、BMキャピタルの口コミまで盛りだくさんで見てまいりました。
いかがでしたでしょうか?
最後になりましたが、改めてBMキャピタルへ投資を始めて5年目の今、BMキャピタルには「安定」「安心」という言葉がぴったりだと思います。
運用成績にハラハラドキドキさせられず、大木のような安定感でどっしりと構えていられるのはBMキャピタルならではと思います。筆者個人的にも、BMキャピタルは現状顔の知れている知人におすすめできる数少ない国内ファンドの一つです。
リスクを抑えながらもある程度のリターンを積み重ねていける、安定した運用先をお探しの方には、国内ファンドBMキャピタルを是非検討してみると良いでしょう。
さて、このコンテンツのおまけとして「BMキャピタル流銘柄選び」を用意しました!BMキャピタルの銘柄選びについて興味のある方は、読み進めてみてくださいね。特に株式投資に興味のある方には、面白い内容となっていると思います。
【おまけ】ヘッジファンド流銘柄選び
さて、ここではマネーブリッジ編集部がBMキャピタルの運用レポートにならって、独自で銘柄を分析してみました。題して、BMキャピタル流銘柄選びです!
まず、上場企業は数千社ありますので、まずは下記の条件で絞ってみます。
市場 | 全業種 |
---|---|
業種 | 全業種 |
出来高 | 10万株以上 |
時価総額 | 100億以下 |
PER | 20倍以下 |
PBR | 1倍以下 |
ここで重要なのは、PBR(株価純資産倍率)でして、PBR=1の場合、時価総額と発行株式の価値に相違がないことを示しています。逆に1を割る場合、端的に言えば「割安」である、ということが言えますね。
まずは上記の条件にてスクリーニングをしてみました。すると…
以上の22社が表示されました。
ここでランダムに、ウエスコHDの財務内容を見ていくことにしましょう。ウエスコHD…実は私たち編集部もこれまで存在すら知らなかった銘柄です。
以下、財務諸表より、
参照:ウエスコホールディングスホームページ
こちらを見ますと、現金及び現金性の資金は21億、9億、10億でざっくり40億円。投資有価証券で28億ありますので、合わせて68億円を保有していると見れます。
負債合計は下図より30億なので、68-30=38億円が会社をいますぐ清算しても残るキャッシュとなります。これを発行株式数で割りますと、38億÷1800万枚=211円
参照:ウエスコホールディングスホームページ
不動産など現物資産を度外視し、事業収益もゼロと見積もり、いまある現金だけに焦点をあてて負債を引くと、一株あたり211円の価値があると出ます。
このウエスコHDの現在値ですが、仮に70円で推移しているとしたなら、非常に割安と言えます。
この部分は、BMキャピタルの投資先を分析する中で重要な点なのでもう一度繰り返させて頂きます。
現金及びほぼ現金(売掛や有価証券)から負債を引いて残った価値を株式の発行枚数で割ったとき、その価格が現在値に比べ著しく低い場合、間違いなく割安といえ、投資対象と見る事が出来ます。
BMキャピタルの運用の原則はバリュー投資であり、バリュー投資=割安な銘柄を発掘し、市場参加者がその存在に気づく前に仕込まなければならないため、デューデリー力(企業の資産価値を適正に評価する作業)が肝と言えますね。
ここまで、「BMキャピタル流銘柄選び」でしたがいかがでしたでしょうか?
商売の基本は安く買って高く売る。バリュー投資はまさにこの原則に沿った投資手法ということが言えます。一見難しく思えるヘッジファンドの投資手法ですが、意外とシンプルですよね!
ちなみに計算の結果ウエスコHDの現在値は執筆時(2019年4月5日)、211円より上を推移していますので、割安ではありません。あくまで例ですので、あしからず(笑)
このようにファンドマネージャーでも何でもない私でも報告書を見よう見まねで銘柄選びが可能(と錯覚する)なくらい、BMキャピタルの運用報告書は丁寧に書かれています。
BMキャピタルの運用報告書を読みたいが為に、BMキャピタルに投資する方もいるとのこと。BMキャピタルに投資された際には、運用報告書は投資の教科書として(さらっと読み流してしまっては大変もったいないです)しっかり熟読すると良いですよ。
Source: MoneyBridge online
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